短歌誌「国民文学」今月号

 

月刊の歌誌です。会員たちが詠んだ短歌の作品、批評、先人達の作品鑑賞、コラムなどを掲載しています。その他各地の歌会情報や全国大会のお『知らせなどの情報も。

 活字になった自分の作品、仲間達の作品を鑑賞しながら上達のポイントを発見し歌を詠むことnの楽しさを学びます。

2022年6月号

 

作品Ⅰ

作品Ⅱ

作品Ⅲ

作品Ⅳ

 

   

松村英一の歌(四〇一)                           南部湧子

千代國一の歌(八三)                            齋藤隆彦

 

哀悼

 

 

昭和覚え書き(六)                             御供平佶                         

歌壇管見                                   原田緑

 

橫山岩男『うたの歳月』評                     青木陽子・山本美里

秀歌十五抄                  御供平佶・永井正子・山岸金子・紺野愛子

 

第三十九回 「公木忌」発表 「松村英一と尾山篤二郎」             本田守

 

深山みどり氏追悼 追悼文                          御供平佶

         五十首抄                         御供平佶

 

漆原八三氏追悼  追悼文                         市川みどり

         五十首抄                         御供平佶

            

 

 

『歌はかうして作る』より〜初学者の質問〜                 尾山篤二郎 

                                  

 

百周年拾遺 こぼれ話 (その二六)                     川口城司

   「国民文学」叢書秀歌抄録(七七)                      三浦 武

    歌の師・歌の友㉝                             中野たみ子

  

   卓上語                     佐藤美代子・佐藤和代・渡辺徳子

   

   藤本正則・共感する映像                           植村哲也

                            

 

作品批評                   山岸金子・林田幸子・藤原えつこ・渡辺清彦

                    中村且之助・佐藤美代子・佐伯雅司・角田純子

 

 

 

本と私⑩                                  白田妙一

                      

 

第61回 国民文学全国大会 三重大会案内

 

 

 転載歌

 

国民文学三重支部新年歌会の記                       鹿志村啓子

               

歌会報・歌会一覧・国民文学年間予定表

 

編集室だより・後記

 

 

                          表紙画 池田信一 カット 石田 叶


今月の歌

松村英一の歌(四〇一)

水のなき川にむらがる白き石けふの夕日が既にうするる            『荒布』 湯の山に夕日の光のこりゐて暮るるにおそし春永き日は

退潮(ひきしほ)となりて秀先(ほさき)のあらはるる

粗朶(そだ)は岸より見て遠くなし                     『露原』

あはれ見よ稚なはたをり草の葉の裏にまはりてその身を隠す       『石に咲く花』 色づきし丹波ほほづき千成(せんなり)にのこる小花の水したたらす 『白い花の咲く道』        

月の夜となりてかたみに影を曳く馬酔木は花の房ながく見ゆ       『樹氷と氷壁』

九十まで命生きよと人は言ふわれに悲しき空間(くうかん)を知らず 『樹氷と氷壁以後』

 

           (抄出:南部湧子)

千代國一の歌(八三)

学童と乗りあふバスに吾子のゐてさざめきのなか千代千代の声

ふた夜寝てふた夜寂しき夢を見し吾の寝息を君ききたらむ 退職の辞令の印を押しつぐと事のあげくはまこと簡なり 畑の独活(うど)上葉の黄葉(もみぢ)日に映えて枯るる無惨を広広と見す 川岸の日差に面をあげ歩むわが現身の或る日より無し 同期会に忘れしペンが封筒に入りて戻り来(き)この歌を書く 沢の雪明ると見るにまた翳(かげ)る谷川岳にいのちひと時 

 

(抄出:齋藤隆彦)

 


今月の選者の二首 2022年6月号より

御供 平佶

日帰りの可能な職場妻と子に相談もなく未来を委ぬ

十七年にて退職の還暦を短歌に生きてもう二十年

永井 正子

尾根道に分かれて木草の中に消ゆ山菜採りは独りのあそび

山菜の天麩羅独りに食める夜を杯など捧ぐ夫の座椅子に

青木 陽子

白き風吹き来しかとも花びらの舞ひつつ散らふ街川の面(も)に

わが手紙ポストに落ちし音耳に書き忘れたる言葉が脳裏に

三浦 武

枯芝の芽吹きうながす山焼きを待つに煙が後ろより立つ

今しがた炎のぼりし山肌にカヤトの跡がぎざぎざを成す

 吉田 直久

街灯のならぶ小径に霧雨の光る雨粒放射を描く
幼きに遊びし林に分け入れば友らの声の所々に漂ふ
                                
(抄 吉田直久)