短歌誌「国民文学」今月号

 

月刊の歌誌です。会員たちが詠んだ短歌の作品、批評、先人達の作品鑑賞、コラムなどを掲載しています。その他各地の歌会情報や全国大会のお『知らせなどの情報も。

 活字になった自分の作品、仲間達の作品を鑑賞しながら上達のポイントを発見し歌を詠むことnの楽しさを学びます。

2024年10月号

 

作品Ⅰ                                       

作品Ⅱ

作品Ⅲ                                       

作品Ⅳ                                       

 

松村英一の歌(四二九)                             村上 滋子

 

歌をよむ時の心持ち                             窪田空穂

 

 

古屋清 歌集『余滴』評                      佐伯雅司・橋本千惠子

 

 

秀歌十五抄                  鯨井正義・山岸金子・金戸紀美子・藤生徹          

  

 歌壇管見                                  松浦彩美

 

 短歌とデザイン思考(四)                            吉田直久

 

昭和覚え書き(34)                             御供平佶

 

歌の師・歌の友(61)                           中野たみ子

 

 ことばにまつわるあれやこれや(X)                     齋藤隆彦

 

作歌遊談(六)                               吉田三郎

 

本と私㉟                                  白田妙一

 

私の一首                                 橋本千惠子

 

 卓上語                         富永孝子・並木梢・黒川千尋

 

作品批評                本田守・鹿志村啓子・紺野愛子・石田吉保

                    斉藤恵子・池田和臣・大塚きよ・村上滋子

   転載歌

 

   求むる心                                 松村英一

 

   第六十三回 国民文学全国大会神奈川大会速報

 

   国民文学新人賞 作品募集

 

   新年賀詞交換募集

 

    歌会報・歌会一覧・国民文学年間予定表

 

   編集室だより・後記

 

                             表紙画 池田信一 カット 石田 叶

 


松村英一の歌(四二九)


草の葉のささやき深く聴くものか秋の光のなかに眼とぢて      『春かへる日に以後』

苑ふかく池をめぐりて人遊ぶこの平安に涙落ちむとす          『石に咲く花』

ともしびを胸にかこひて守るごと来りし生命(いのち)けふ春に逢ふ

たまたまに連れだつ映画妻のため席を争ふ人よ笑ふな

岩に来て岩にやすらふ岩ひばり汝(なれ)の飛ぶまでわれも休まむ       「雲の座』

樹の心くさの心もみな知りてあしたゆふべにわが向ひあふ       『落葉の中を行く』

すがりたる岩につゆけき紅(あけ)の花いはたばこ咲く花期(はなどき)に逢ふ

                                 『白い花の咲く道』

 

 

                                 抄出 岡 由紀夫

今月の選者の二首 2024年10月号より

御供 平佶

角の家にて親近の声交はす昭和末より隣人として

能登近き越前の人隣人の仲らひ不意に家族葬とは

永井 正子

バッテリー外して再び入れ直す間なく寿命かパソコン汝も

漸くに一文打てば返信の忽ちにして命を急かす

吉田直久

瑕疵のなき頼朝像に隆信の緊張思ふ佐殿(すけどの)を前に

通勤の道にけふの二つ三つマスクを見付く靴に踏まれをり

佐伯雅司

橋を渡り清められたる心地して平等院の阿弥陀に対ふ

平等とふ仏の御名に持ちて平等院に人の絶えずも

 

                                (抄 吉田直久)