短歌誌「国民文学」今月号(1310号)
月刊の歌誌です。会員たちが詠んだ短歌の作品、批評、先人達の作品鑑賞、コラムなどを掲載しています。その他各地の歌会情報や全国大会のお『知らせなどの情報も。
活字になった自分の作品、仲間達の作品を鑑賞しながら上達のポイントを発見し歌を詠むことnの楽しさを学びます。
作品Ⅰ
作品Ⅱ
作品Ⅲ
作品Ⅳ
松村英一の歌(四三八 川口城司
「空穂会」見聞 永井正子・吉田直久・佐伯雅司・橋本千惠子・岡本瑤子
堀井弥生・野田恵美子・鶴岡美代子・松浦彩美・浅井さつき
小川和子・北河知子・片山久子・片瀬千香子・山田みよこ
伊藤八重子・藤田悦子・長瀬智惠子・中村且之助・原田緑
橫山岩男『展望 栃木の歌壇』書評 御供平佶
三重県支部新年歌会報告 野田恵美子
歌壇管見 野田恵美子
短歌とデザイン思考(13) 吉田直久
昭和覚え書き(43) 御供平佶
歌の師・歌の友 (70) 中野たみ子
ことばにまつわるあれやこれや(19) 齋藤隆彦
本と私(44) 白田妙一
私の一首 鹿志村啓子
「沈思翰藻通信」 №9 吉田三郎
卓上語 堀井弥生・廣井公明・下平小夜子
作品批評 山本美里・浅野由美子・渡部敦則・先山忠子
長瀬智惠子・黒川千尋・片山久子・片瀬千惠子
転載歌
西大久保便り 昭和四十五年二月号から 松村英一
第64回国民文学全国大会石川大会 案内
歌会報・歌会一覧・国民文学年間予定表
編集室だより・後記
表紙画 池田信一 カット 斉藤恵子・樋森直子
裏川にそそぎておつる溝の水湯かもまじれる日にけぶらへり 『やますげ』
街中に深井に汲みてあたたかき湯をしよろこぶこの朝(あした)かも
雲晴れて山の近きに驚けり屋根の上高く日に照れる山
まつしたに見おろす海の一つ岩かぶる潮を四方に垂らす
波がえぐりし岬の洞にのぼる潮泡立ちさむくくらきに鳴るも
うち寄する波のしぶきは岸のべの柴垣越えて田の中に飛ぶ
小山田の早稲田の出穂に吹く風は潮香ふふめり海近からむ
(抄出 川口城司)
御供 平佶
清浄い澄める『日暮』と『幸木』を読む手掛かりの無く十九歳
田植する手さばきを観に媼たち畔賑やかす機械化以前
永井 正子
顔にせしマスクがいちうか心にも自尊心など消えて眼を伏す
マスクして寒さに赤き鼻隠し雪割草を植ゑつぐ老いら
吉田 直久
カルピスをグラスに一滴垂らすごと吾の視界に広ごる白濁
眼帯の取れし世界のあからみて東京湾は真さをに光る
佐伯雅司
一年の古切手貯め寄付をする選することの一つの賜物
父と母の間を歩く新入生キャラメル色のランドセル背負ひ
(抄出 吉田直久)