平成27年以前

平成27年度 日本短歌雑誌連盟 春季定期総会開催

         4月29日(祝) 於・中野サンプラザ 

 「国民文学から2名の受賞!!」

 38歌誌、150名を越す参加の中、総会議事がつつがなく進行し、我が国民文学社から参加した皆さんが心躍らせて待っていた表彰式を迎えました。特別功労賞に横山岩男氏(国民文学発行人)と「日月」の永田典子氏。第4回雑誌・評論賞に小林邦子氏(国民文学第一同人)と 「日月」清水亞彦氏以上の方々がそれぞれ受賞されました。

  福田龍生理事長のご挨拶では、二つの結社から二名ずつの受賞は、これからも絶対にない珍しいことだとのお話が印象的でした。理事長からは、横山氏は地味ながらすばらしい記憶力で、窪田空穂について尋ねればなんでも即答され、特別功労賞に相応しいこと、また、小林氏は細かい観察によりセンシヴィティーな文章で昂ぶらず執筆され、充実した内容も認められたことなどの評をいただきました。国民文学からのお二人の紹介は御供平佶国民文学編集人からです。横山先生の作歌の歴史と姿勢、人となりや、松村英一師の秘蔵っ子として文学のみでなく絵画についても、何によらず勉強家であることなど、エピソードを交えながらの親しみある紹介でした。また、小林邦子氏については、氏との不思議な縁により、自らこの紹介を買って出られたことから、受賞の評価の対象となった作品「半田良平研究」に至るまでの氏の作品にも触れ、筆致の勢いと姿勢について作家としての氏に大いに敬意を表すると述べられました。続いて、受賞の喜びの言葉に聞き入り一部を締めくくる藤岡武雄先生の講演では、卆寿近いとは思われない力強い言葉で「歌が文芸であるからには、いくつも読み取り方があって当然。時代世相の上に立って、そのとおりでなくてはならないということはないのだ」という心に響くお話をいただきました。第二部、懇親会では乾杯後、受賞者を囲んで喜びとともに楽しい語らいの時間を過ごしました。

 

  第33回 公木忌

 上野公園の桜が八分咲きとなった三月二十八日、東天紅上野店飛鳥の間に於いて第三十三回公木忌が執り行われた。公木忌とは長年に渡り国民文学社の編集・発行人を務めた歌人松村英一とその作品を偲ぶ会である。本年は53名が参加。 冒頭松村英一の遺影に黙祷を捧げた後、橫山岩男発行人、御供平佶編集人の挨拶があり、その後恒例の松村英一の研究発表行われた。今年は岡本瑤子同人による-『樹氷と氷壁』『樹氷と氷壁以後』を読む-。松村英一の晩年を二つの歌集の作品から論考する内容。窪田空穂への師弟愛、妻への愛と追慕、老いと向き合う心境、歌と共にあった人生が読み説かれた。懇親会では選者や会員による松村英一との交際、その人格を踏まえた作品性の高さが語られた。没後三十四年。肉声を聞いた会員は少なくなった。

 

 平成27年 国民文学社新年歌会  

   天候に恵まれた1月25日13時、東京千代田区のル・ポール麹町にて、国民文学新年歌会が行われた。参加者52名。橫山岩男発行人、御供平佶編集人の挨拶の後、歌会がスタート。前半は浜口美知子、後半は橋本千惠子の司会で進行。一人一首の作品に対し参加者の批評と選者の批評がなされて、活発な議論が交わされた。選者による選歌作品の発表と講評の後、新年度の同人昇格者が紹介され、窪田司郎選者の閉会の言葉で歌会は終了。 

 17時から懇親会となり、八幡恵美子、藤生徹の司会進行の下、食事を交えながら、選者を始めとした参加者の今年の抱負や日頃の作歌に対する思いが披露され、新しい年を迎えにるにふさわしい懇親会となった。                                               

 

  第32回 公木忌  報告 

   平成26年3月29日(土)例年どおり上野の東天紅で、松村英一先生を偲んで公木忌の集まりが持たれました。参加者は72人、まず松村先生の遺影に黙祷をささげました。

  横山発行人ご挨拶

 横山岩男発行人ご挨拶では「国民文学」が百周年を迎え、記念号が「日本短歌連盟優秀歌誌賞」を受賞したことの報告をはじめ、御供平佶編集人からのお話に続いて松村栄一研究発表に耳を傾けました。第一同人山岸金子氏による「『松村英一序文集』の魅力」は『序文集』における文学性、英一の人間性、その多面性を、わかりやすい資料をもとに参加者に伝えるものでした。山岸氏のこうした御研究の奥深さと、加えて私たち参加者が松村先生を深く知るよすがとさせていただくことも公木忌にふさわしいものであると、

 感謝とともに感じ入りました。また、その後の各選者のお話からも、改めて松村先生の歌人としての側面を知ることができました。中でも終戦直後の歌誌存続のご苦労についてなど、百周年の歴史に相応しい内容もありました。今回は長年「国民文学」に貢献された下村百合江選者が退任されるとあって、お労いと共に寂しさも禁じ得ない会でしたが、そのご挨拶中にも上野の会場にちなみ、松村先生の上野を詠んだ作品が披露されました。手違いで当日届かなかった資料も、追って役員から郵送していただくなど、事務手配にいたるまで心のこもった会となりました。                               

下村百合江選者を囲んで

歌を詠むことで、ものを見る目も正確性を期し、おざなりにはできなくなります。この日は多くの思いを抱いてお開きとなりました。最後に、御供平佶選者のお話にもあったように、作歌の裾を広くしていけたらと思ったことでした。 

         (文責 鈴掛典子)          

 

  第31回 公木忌  報告

    平成25年3月30日(土)13~16時   東天紅(上野店)

  公木忌は松村英一を偲び、その人と作品を語る会で、毎年3月に開催しています。公木忌の名称は、松村英一の「松」の字を解字した「公木」 から生まれたものです。

  発表  浜口美知子 「松村英一の震災戦災のうた」

                   1, 『やますげ』『荒布』に見る関東大震災の歌

                   2,『露原』『山の井』に見る戦災の歌

   浜口美知子は、関東大震災に英一が詠んだ20首を揚げ、歌に写実の深化を見ると説き、戦災の歌は、自宅が爆撃で焼失する22首と戦後の7首を揚げ、平淡で自在、物資不足の中の作歌意欲を論じた。「英一の災害詠に学ぶもの」として、 

1. 写実の力と叙情性 

2.「国民文学」結社継承への信念

3. 災害を如何に詠うか

   三つの項目について説き、参考に窪田空穂の震災・戦災のうたについて述べた。 

           

   平成25年国民文学社新年歌会

  日 時 平成25年1月20日(日)

     13時から歌会・17時から懇親会

  会 場 ル・ポール麹町 ℡03-5391-2111

  列島を襲った14日の大雪もほぼ融け、当日は寒いながらも晴天に恵まれ新年歌会に相応しい清々しい一日となった。各地からの参加者55名。横山岩男発行人、御供平佶編集人の挨拶の後、歌会。前半は浜口美知子、後半は橋本千惠子の司会により会場からの批評と選者の批評がなされ、最後に選者の選歌作品の発表と講評が行われた。新年度の同人昇格者の紹介もあり、緊張感のなかにも充実した歌会であった。窪田司郎選者の閉会の言葉で歌会は予定通り終了。 17時からは隣室に移り、懇親会。司会は、石井みどり、藤生徹。下村百合江選者の挨拶に続き、今歌会で複数の選歌得点を得た方々の喜びの声や、新同人昇格者の意込みなどが語られた。その他、百周年に向けて、それぞれ熱い思いも話され和やかな懇親会であった。

    ※詳細は「国民文学」4月号紙上に掲載されますのでご覧ください。

  

      第52回 国民文学 全国大会・静岡大会 〔報告〕

 日 時 平成24年8月26日(日)27日(月)

会 場 ホテルコンコルド浜松(JR浜松駅より送迎バス)     

お問合せ 〒438-0058 磐田市万正寺368       柏木榛夫

                             ℡ 0538-32-8076

 第52回の静岡大会は、全国からの会員144名の参加を得て始まった。柏木氏の開会、横山・御供選者の挨拶、本年度物故者への黙祷の後、第一日目の短歌大会が行われた。

18時より千代國一追悼歌曲の演奏。昨年8月に亡くなられた千代先生の一周忌にあたり、感謝と」鎮魂の祈りを容にすべく、千代先生の短歌にプロの作曲家による曲を付け、歌手の方に歌っていただくことになったもの。

 作品7首(『定本千代國一全歌集』より抄出 中村誠 浜口美知子) 

                         作曲   魚路恭子   ピアノ  田中恵子  

                       ソプラノ   中鳥実紀    メゾソプラノ  酒井あやの

すばらしい曲と歌声が会場に流れ、千代先生を偲ぶ。初めての演奏に、一同感激、感極まり涙ぐむ者もいた。その後、懇親会では、各地の歌や催しに交友を温めあった。

 二日目、9時から14時半まで短歌大会。会場の会員と選者の批評、質疑応答など、活発に意見が交わされた。最後に選者から今大会の優秀作品が発表された。その後お別れパーテイーもあり、来年の百周年記念大会に、会員一同、協力を することを誓い合い、閉会 となった。

 

   第30回 公木忌 

  公木忌は、松村英一を偲び、その人と作品を語る会で、毎年3月に開催しています。  

 「公木忌」の名称は、松村英一の「松」の字を解字した「公木」から生れたものです。

 日 時  平成24年3月31(土)13時~16時

 会 場 東天紅 (上野店 )   ℡03-2828-5111

        JR上野・御徒町 地下鉄千代田線湯島駅下車 徒歩5分

   内 容  松村英一研究発表 「松村英一と茨城」  園部みつ江

 第30回公木忌は、全国各地からの熱心な会員55名の参加を得て上野の東天紅で開催された。例年であれば上野もお花見の見頃になるのだが…今年は桜の開花が遅く、三分咲き。又当日は 生憎の春の嵐、強風と雨のため、列車の遅れや運転中止などもあり、会員の集まりが危ぶまれた。研究発表の園部みつ江さんも水戸からの途中取手駅にて列車の運休によりタクシーを乗り継いでの上京 ー予定時間に間に合わず、スケジュールを繰り上げて 会は進められた。思わぬハプニングではあったが、研究発表は堂々と、「松村英一と茨城」、「序文集の中の英一語録」 など、資料も内容も充実したものであった。選者や先輩諸氏によるスピーチも素晴らしく、英一とのエピソードや英一

の歌の奥深さについて改めて学ぶことが出来た。

 

平成24年 国民文学社 新年歌会 

    日 時 平成24年1月9日(月)  13時~18時

会 場 ル・ポール麹町 ℡03-5391-2111

  昨年ご逝去された国民文学代表 故千代國一先生と、東日本大震災で亡くなられた方々に黙祷をささげ、今年の新年歌会は始まった。高校生2名も交え、全国からの会員71名の参加を得た。出詠64首、会場からの歌評の後、選者からの歌評があり活気に満ちた新春に相応しい短歌大会となった。 最後に選者の選歌作品の発表と講評がなされ、新同人の紹介などもあり、力強い新年の一歩を踏み出した。その後、同館にて親睦の茶話会も開催、なごやかに交流が交わされ、午後六時半盛会裡に閉会。

                                                              詳細は 「国民文学」4月号掲載